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こじらせた初恋

第11章 溢れる感情

智 side







なのに今目の前にあってそこに手を伸ばせないでいるんだ。



ニ「さっきまですげー浮かれてたのに。両想いってわかった途端テンション下がるのなんなの?」



ニノは俺が何を考えてることがわかってる。



今どんなことを思っているか。



智「別に。変わってないじゃん。応援してくれてるのはわかるけどさ。両想いなワケないじゃん。翔くんだよ?」



ニ「出たよ。だからなんなんだよその、翔くんだよ?っていうのは。知らないよ。まともに喋ったことないのに」



ふわっと笑うニノを見てかっこいいなって思った。



俺の空気を呼んでピリピリしたのを払ってくれた。









「大野さんチェックお願いします」



同じ課の若い女の子に渡された数枚の資料をペラリとめくる。



ダメだ。全然頭に入って来ない。



智「後で読んで渡しに行くわ」



「わかりました」



その子は二コリと笑うといい匂いを振り舞いてった。



最近仕事に集中できてないな。



すぐできてたものがすごい時間かかるようになってる。



ダメだなぁ。



翔くんのことばかり考えちゃって、仕事ができてないってめちゃかっこ悪い。





あ!そうだ!



俺はいいことを考えた。



全てを解決する方法。




先程の女の子に声をかける。



智「ちょっとお願いがあるんだけど……」







いけないんだ、このままじゃ……



このままにしていいわけない。




だって翔くんの横に俺がいる未来は…






絶対に無いんだから……








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