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こじらせた初恋

第11章 溢れる感情

智 side







ニ「てかさー」



智「ん?」



目の前の枝豆をプチプチ食べては殻を殻入れに入れる。



注文したビールが来ないなーとうっすら考えていた。




ニ「あの幼馴染くん。大野さんのこと好きだよね?」



枝豆を持つ手が止まる。



智「何言ってんの。ニノちゃん」



そのまま食べずに殻入れに入れた。



店員さんを呼び止めビールまだですかと声をかける。



ニ「やっぱり気づいてたんだ?」



さっき声をかけたのに、もうビール持ってきてくれた。仕事が早いな。







本当は気づきたくなかった。



もしかしたら翔くんも俺と同じ気持ちなのかなって。



そのもしもを頭の中で打ち消してはもしかしてとグルグルと思考が回る。




だって、翔くんちで相葉ちゃんと会った日から翔くん変わった。



俺を見る目も優しく触れる手も、俺にかける声も何かくれる時も…



その何もかもが変わった。



まるで恋人にするみたいに接してくる。




恋人がいたことないからわからないけど。




でも。




翔くんは元々すごく優しい。



でもその優しさは友達にするそれとは違った。






ニ「…にしては浮かない顔ね」



ニノの言うことに何も返さず、再び思考をグルグル回していた。



ニ「晴れて両想いじゃないの」




両想い……



その言葉がこの世で一番似合わないのは俺だと思ってた。







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