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こじらせた初恋

第12章 それは突然

智 side






でもできない。



ごめんね、翔くん。






始めから決めていた。



この恋を両想いにさせないって。






翔くんにはまともな人生を歩んでほしい。



綺麗な奥さんと結婚して子供を授かって。



その子供も子供を産んで孫に囲まれながら幸せな人生を全うしてほしいと。






俺との恋愛はまともじゃないし。



俺は子供を産めない。




俺と一緒に日陰の道を歩かせる訳にはいかない。



一緒になったって幸せになれるはずがない。



だから。



だから決めてた。





翔くんには選択を間違ってほしくないから。



正しい方向に導いてあげたかったから。



だから今傷ついたとしても、きっと目を覚ますだろう。



正しい道はどこに続くかなんて。










翔くんの未来に俺は居なくていい。



翔くんの為だったら死んでもいい。



だから翔くん。



幸せになってよ。



誰よりも。








俺の初恋の終わりは苦くて悲しくてつらい。



でもいいんだ。



終わりなんてきっとこんなもんだから。



だから。









さよなら。翔くん。







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