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こじらせた初恋

第13章 これでよかったんだ

智 side







久々に翔くんの部屋に行ったとき、俺を抱きしめて顔を近づけてきた。



あの時は翔くんどうかしてたんだと思ってたけど、ニノもキスしようとしたって言ってたし。



きっとあれはキスだったんだな。



翔くんのお母さんに邪魔されたけど。







あの時から翔くんは俺のことを好きだったのかな。







翔くんと関係に変化が起きたのは突然。



いや、翔くんの中では徐々に変化していたものを俺は気づかないフリしたんだ。





翔くんの気持ちから逃げたんだ。




そんな翔くんは俺に制裁を与えた。



無理矢理俺を抱こうとした。



俺を力でねじ伏せて自分のものにしようとした。





でも俺は泣いてしまった。



嫌だった訳じゃない。



翔くんがコチラ側に来てしまった。



その事実が悲しかった。






なんなら、あのまま抱いて欲しかった。



何も考えず翔くんに身を任せたかった。



願い続けた夢に手を伸ばしたかった。







でもそれはできなかった。



俺は翔くんとの未来を選べなかった。






ずっと好きで。



好きで好きで。



ずっと思い続けた人。



離れても、会えない日々が続いても。



その気持ちが治まることは無かった。



俺が初めて好きになった人。



そして最後に好きになる人。



確信できる。



俺はもう誰も好きにならない。



翔くん以外の人を愛することはない。







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