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こじらせた初恋

第3章 決意

智 side







「ごめんね智。翔くんにど~しても!って言われて、あんたの住所教えちゃった!」



母は電話越しに謝り倒していた。



俺は、いいよ、と何度も言った。



智「いつかはバレると思ってたし。母さんも巻き込んで悪かったね」



「ホントにごめんね。あんたにきつく言われてたのに」



智「いいんだよ」



珍しく殊勝な態度に戸惑いながらも、母のしたことを問い詰めるつもりは無かった。



「あんたがどういうつもりなのかは知らないけど、翔くんいい子なんだから仲直りしなさいよ!」



智「うん。そのつもり」



「え?」



智「勝手に俺が怒ってたんだけど、もうどうでもよくなったから」



嘘を織り交ぜながら俺の気持ちを紡ぐ。



智「だから翔くんと前みたいに仲良くしようと思う」



長年気を遣わせてごめんね。



智「翔くんが俺に愛想つかせてなかったらだけど」笑



母は、何言ってんの!と笑う。



「翔くんは、会ったらいつもあんたの話してたのよ」



智「ホント?」



「智は元気?最近どうしてる?って」



智「翔くん……」



「だから心配いらないからっ!」



力強くそう言ってくれる母を頼もしいと思う。



あ、そうそうっと思い出したように母は言った。



「あんたの住所聞いたら飛んで行ったから、そろそろ翔くん来るかもね」



智「は?」



母よ……



それを早く言ってくれ……


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