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こじらせた初恋

第3章 決意

智 side








そもそもなぜ俺が翔くんとの関係を変えようと思ったのにはワケがある。



それは就職して社会人となった今、いろんなことを学んだということもあるけど



尊敬する同僚が言ってくれたんだ。



「好きな人がいることはすばらしいことだよ」



その同僚の話を聞いて翔くんとまた前のような関係になろうと思ったんだ。



向き合うことはできないけど…



今までの俺はただ、卑屈でネガティブでワガママだった。



翔くんと両想いになれないことがつらくて…



翔くんを好きなことが申し訳なくて…



翔くんに罪悪感を抱いていた。


でも何にも知らない翔くんが、俺に普通に接するのがムカついてた。



なんで俺だけこんなにしんどいんだ!



って勝手に傷ついてた。



翔くんのせいにしてた。



でも違った。



好きってそんな悲しいものじゃないんだ。



好きって素晴らしいものなんだ。



俺は好きな人がいて幸せなんだ。



学生の時の俺はどうしてわからなかったんだろう。



好きな人の側にいるだけで幸せなのに。



もっとラッキーって思えばよかった。



翔くんと笑い合える。



肩を組める。



一緒に勉強できる。



ってか勉強教えてもらえる。



同じものを食べれる。



あわよくば着替えも見れる。



ラッキーじゃん。



好きな人にかなり近づけるんだよ!



なんで気づかなかったんだろう。



俺はバカだ。



自分勝手で翔くんを傷つけて。



翔くんに寂しい思いをさせて。



ごめんね、翔くん。



でもこれからは、大丈夫。



側にいるから。



一緒に笑い合おう。





俺はあなたを幸せにはできないけど…




翔くんの幸せを願ってるよ。



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