テキストサイズ

こじらせた初恋

第6章 久しぶりの部屋

智 side







翔くんと再会して、初めての年末。



俺は久しぶりに実家に帰った。



前は、実家に帰ると翔くんに会ってしまうんじゃないかって思って、家を出てから実家に帰ることは無かった。



母も父も、正月なのもあるけど、たくさんご馳走が、机の上にあって、俺が帰ってくるのが嬉しいのが伝わって、なんかくすぐったかった。



これからちょくちょく帰んなきゃな。



智「お隣行ってくる」



久しぶりに訪れたお隣は何も変わってなかった。



俺はおじさんとおばさんに挨拶した。



「翔がいつも行ってごめんなさいね。智くんと会えたの嬉しいもんだから」



智「俺も嬉しいんで、全然大丈夫です」



「翔、買い物行ってるのよ。もうすぐ帰ってくるから部屋で待ってて!」



翔くんの部屋に促されて、見慣れた階段を上がった。



久しぶりに入った翔くんの部屋。



机とかベッドの位置は変わってないけど、持ち物がすごい変わってた。



そうだよな、高校に入って満足に来てなかったもんな。



翔くんの部屋をキョロキョロと見渡していると、窓の外に翔くんが通るのが見えた。



ぷぷっ。すごい荷物持ってる。



おばさん、どんだけ頼んだんだろ。



それとも、念のためって昔から荷物が多かった翔くんのことだから、たくさん買っておいたのかな。



翔くんは、俺に気づくことなく、重たい荷物を持って家に入ってきた。



するとすぐ聞こえてきた翔くんの声。



俺1人にどんだけ頼むんだよーーっ、だって。



予想は前者が正解だったね。



文句を一しきり言った翔くんだが、え?と声を出すと、すごい勢いで階段を駆け上がる音。



俺が来てるって聞いたんだな。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ