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こじらせた初恋

第2章 再会

智 side




カーテンから隙間から光がもれ、目をゆっくりと開ける。



朝か、とボーっとした頭をぼりぼりと掻きながらでイライラしながら上半身を起こす。



本当は朝の光ではなく、大きな音で起こされたのだ。



俺のアパートを駆け上がる階段の音だ。



翔「おっはよーーーーー!!」



閉め忘れたドアから元気よく現れたキレイな男。



翔「あなたまた開けっぱなしで寝てたでしょっ!!何回言えば気が済むんだよっ!!不用心だろっ!!」



その男はそう言いながらカーテンをシャーっと開けていく。



まぶしさに目がくらんで目を右の方へ逸らした。

 

うるさいなー。


ここの階段すごいうるさいんだから静かに登ってきてくれないかなー。



智「ああ、ごめん」



朝から元気なこの男は、ドアの鍵を閉めてないことを責めてきた。どーでもいいので平謝りする俺。



それがバレたのか、思ってないだろって笑われた。



まぶしい笑顔。



朝にぴったりだ。



智「思ってるよー」










このかっこいいキレイな男は櫻井翔。



生まれた時から、いや、生まれる前からお隣さんで同級生。



生まれてからずっと付き合いのある友人だ。



翔くんは実家に住んでいるけど、俺は実家を出てアパートで1人暮らしをしていた。



といっても実家から歩いて15分くらいの所だ。



就職が決まり、家から通える場所だったが、これを機に自立したいと申し出た。



両親はもちろん承諾。家の近くに住むからなのか、とくに不安には思っていないようだった。



1人暮らしは、家事が大変ではあるものの、思ったより快適だった。



自分の好きなものを食べれる。



お風呂も自分のタイミングで入れる。



なんて幸せなんだ……



と思っていたのも束の間。



この隣人の坊ちゃんのせいでその幸せは崩壊しつつある。


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