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こじらせた初恋

第2章 再会

智 side




翔「ほら!持ってきたぞ!」



翔くんは、手に持っていたビニール袋に入ったおかずをトンと机の置いた。



そしてすぐに、その中のタッパーを開けて卵焼きをほおばる。



智「翔くん。毎回来なくてもいんだよ?」



悪気は無く伺うつもりで言ったが、翔くんは切なそうに笑った。



翔「俺が来たくて来てんだよー!!なんだよ。俺が来ちゃいけないのかよー」




智「そ、そういう意味じゃないよっ!」



翔「智が冷たいこと言う」



卵焼きを食べながら口を尖らすから笑ってしまった。



智「いじけるなよー。翔くんが来てくれて嬉しいよ」



そう言ったら胸がきゅっとなるのを感じた。










1人暮らしをすることを親にしか言っていなかった。



特に翔くんには……知られたくなかった。



翔「1人暮らししたのも教えてくんなかったしさー」



翔くんが口を尖らせてる。



翔くんから離れたかった。



距離を置きたかった。



翔くんのいない人生を新しく歩きたかった。









でも結局すぐにバレた。



母親には、お隣の仲の良さをなめていた。



というかうちの母親は隠し事をできるタイプではなかった。


それをわかっていながらなんで頼んた、俺……



バカバカバカ……




翔くんは突然にやってきた。



引っ越し前から会わないよう避けていたのに……



翔くんは俺に会えて嬉しかった。



俺も会えて嬉しい。


でもね。



ごめんね。
俺は会いたくなかったよ。



でも、もういいんだ……


翔くんは俺のアパート訪れてから頻繁にくるようになった。



酒とつまみを持ってよく来るようになった。



そうしては仕事の愚痴なんかを話すようになった。



翔「え?今日これだけ?」



平日に来たときに、ペットボトルのお茶を飲んで晩ごはんを済ましている時



智「今日はお腹すいてないから」



そう言うと顔が真っ赤になっていた。その顔がめちゃめちゃおもしろくて指さして笑ってしまった。




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