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こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side







話を現在に戻す。



智「ねぇ。聞いてんの?」



会社終わりに今年初めて大野さんと飲みに来た。



ほどよく酔ったアホな同僚はニタニタしながらも、目は眠そうだった。



智「相葉ちゃんとご飯行ったんでしょ?」



あの幼馴染に聞いたのか。くそ。情報早いな。



相葉さんが嬉々として報告してる様子が目に浮かぶ。



智「どうだった?」



ニ「思ったよりイケメンでした。女がほっとかなさそうですけど」



俺は氷が溶けてほとんど水になった水割りを飲み干した。



ニ「まぁ、それだけですけど」



ちらと大野さんの方を見ると、つまいんないって唇を尖らせてた。



ニ「キスされたけど」



智「え!」



急に前のめりになったと思ったら、怒りに満ちた顔になった。



智「手早すぎ!相葉ちゃん説教だ!!」



携帯を取り出し、本気で連絡しようとしてたのを制止した。



ニ「嘘に決まってんでしょ!」



俺は通りがかりの店員に、水割りを頼んだ。



みるみる大野さんが赤くなった。



智「ごめん。キスで騒ぐなんて子供だよね。ただ、ニノを傷つけてほしくなくって」



大野さんは、怒った言い訳をボソボソとしてる。



ニ「わかってますよ。ありがとう。親友さん」



これじゃ、言えないな。



ホントにキスした、なんて。



正確に言うとキスはしてないけど。



キス。



されそうになった。




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