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こじらせた初恋

第10章 許された場所

翔 side







智「俺の家、布団が一組しかないからさ。誰も泊まりに来ないし。だから泊まられても困るなって。あ!ニノはこの間が初めてだったんだけど」



智が言い訳を始める。



智「ニノはさ。あの時タクシーで帰るとか言ってたけど、お金がもったいなくて歩いて帰ったと思うんだ。ニノんちこっからすごい遠いからさ、心配になっちゃって」




こないだのことを思い出しては自己嫌悪していた。



翔「あれはごめん。俺大人気なかった。俺はダメで二宮いいのかとか。終電無くて困ってる奴にムカついて。ダメな奴でごめん」



智「俺も、ごめん。今までもだけど。翔くんの気持ちわかるし。でも怒ったら、困る……かな」




翔「…ごめんな」




横に顔を振りながら手に持ってるマグカップをいじいじしてる。



智「でもさ…」



智がマグカップを机に置いた。



智「俺布団買うからさ。いつでも泊まりに来てよ」



翔「…………いいの?」



智「もちろん!いつでも泊まって!」



ふにゃんと笑って再びコーヒーを飲んだ。




また一つ智を近づけたようで嬉しかった。






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