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こじらせた初恋

第11章 溢れる感情

智 side







翔「はい、これ」



差し出されたのは、箱が入った袋。



智「なに?これ」



翔「開けてみて」



言われた相手の方を見ると、早く早くと急かされる。



白い箱を取り出す。ケーキかと思ったけど、箱の形状からして違うな。



ケーキ食べたくなっちゃったな。



その箱をの蓋をそっと上に持ち上げる。




智「わぁ、きれい…」



翔「でしょ?」



ドヤ顔で俺の顔を覗きこんでくる。




翔くんがくれたのは箱に入った花。



色とりどりの花を水を含ませたスポンジに刺しているみたい。




智「こんなのあるんだ。普通の花束じゃなくてこういう花束って初めて。あ。花束なんだけど、こういう花束ね」



翔「同じこと2回言ってるよ」



クククと隣で笑ってる。



言葉って難しい。そもそもこれって花束って言うのかな?




智「これ入れ替えた方がいいの?そんなシャレた入れ物なんて持ってないけど」



翔「このまま飾るんだってお店の人が言ってたよ」




こんな綺麗なの俺の部屋に似合わないよー。



でもせっかくもらったし目のつく所に置いておきたいな。



翔くんからもらったんだし!




家の中を歩き回る。



物がすごいあるってワケじゃないのに洗濯物とか生活のもので部屋いっぱいだし。




俺は悩んだ挙句、玄関の鍵を置けるちょっとした棚に飾ることにした。



そうしたら行きも帰りも目に入って翔くんを思い出して幸せだ!







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