
うちの社長が酷すぎる!
第4章 知ってしまった
お風呂のドアを開ける。
Tシャツと一緒に渡されたフェイスタオルを風呂の縁に置いた。
シャワーを頭から浴びながら、私ははぁ、とため息をついた。
…当たり前だ。
他の人とやった後にまた別のひとのいえでシャワーを借りてるんだから。
罪悪感しか出てこないよ……
「…でもシャワーは気持ちいい……」
あまり浴びていると水道代もかかるかな、と思い直して止める。
ボディソープを手に塗り広げているとき、目の前の全体が映るほどの大きさの鏡に気づいた。
なんとなく鏡の向こう側の私を眺めていると、あることに気づいた。
「…っあ!あー!」
鏡越しの自分に指を指す。
首元!赤いキスマークを見つけた…
「…あの社長め…!」
脳裏に勝ち誇ったようにふんぞり返る宝条社長が浮かぶ。
それだけでちょっとイラッ。
ボディソープを勢いよく泡立てて身体を洗い、シャンプーもして私は早々にお風呂から上がった。
