
うちの社長が酷すぎる!
第5章 きみの瞳に
夜景を見ながら他愛ない話をしていると、少し経ってから料理が運ばれてきた。
いずれも高そうなものばかりで、そしてすごく美味しそう!
カルパッチョを食べていると、ヒカルさんが口を開いた。
「……なぁ、稀乃」
「はい?」
「この前俺の家に泊まった時に見た首の跡って、誰のだ?」
肩を震わせる。
…首の跡、って。
社長とセックスしてしまって、その時につけられたキスマーク。
「……えっ、と」
「彼氏のじゃねぇってことは、分かる。お前、遠距離って言ってたもんな」
「…は、い」
「…じゃあ、誰だよ?」
「それはー……」
なんて言えばいいのか、分からない。
ヒカルさんがこれを聞いて、何をしたいのかも考えられない。
「これはー……」
