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シロタさんとクロノさん

第2章 二人はナイト

10分後、クロノさんが甚平を着てお風呂からあがってきました。

「あ…」

スーツの時のクールな印象とはまた違い、柔らかい雰囲気でとてもよく似合ってました。

「甚平、よく似合ってるよ」

シロタさんが褒めます。

「男に褒められてもな」

そう言ったあと、クロノさんはチラッと私の方を見ました。

「あ…すごく…似合ってますよ」

言いながら私はドキドキ。
服装だけでこんなに雰囲気変わるなんて、なんだか戸惑ってしまいます。

「…ん」

クロノさんは少し照れたように微笑むと、居間の方に歩いて行きました。

「へぇ、じゃあオレも甚平着ようかな」

「えっ」

シロタさんは謎の笑みを残すと、ご飯の準備を再開しました。
シロタさんも甚平を着たら似合いそうです。

「さ、食べるよ~」

テーブルには美味しそうな鍋とおかずが並んでいました。

「すごく美味しそうです!」

「いっぱい食べてね」

鍋はお肉とお野菜たっぷりの水炊きでした。
シロタさんがお皿によそって分けてくれました。

ここのところ暑いからってそうめんばかり食べていたので、温かいスープを飲んでホッとしました。
食べ始めるとじんわりと汗がでてきました。

「暑い? クーラーの温度下げようか?」

「いえ、大丈夫です」

私はお二人の顔を交互に見ました。
私はけっこう汗を流してるのに、お二人は一滴も汗を流していません。

暑さに強いのかな…?

私は雨が降ってることも忘れて、久しぶりに楽しい団らんを過ごすことができました。

ご飯を食べたあとはシロタさんが食器を片付けてくれたので、その間私は水まんじゅうをおばあちゃんの仏壇に供えました。

本当はクロノさんの服が乾いたか乾燥機に見に行ったのですが、クロノさんに止められました。

よく考えたらクロノさんの下着も入ってるし、やっぱり男性だって見られたくないですよね…。

なのに私ってば恥ずかしいからって、さっきクロノさんから洗濯物を奪い取って逃げて、きっと気を悪くしたはずです。
あとで謝らなきゃ…。

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