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シロタさんとクロノさん

第2章 二人はナイト

その時ガタガタッと音がしました。

「…っ…」

思わずビクッとすると、

「大丈夫。クロノが雨戸閉めてる音だから」

「えっ…」

「さっきニュースで大雨暴風警報が出てたんだよ」

するとちょうど玄関の扉が締まる音がしました。
私はお風呂場にストックしてあるタオルを持って、急いで玄関に向かいました。

「クロノさん…!」

案の定、クロノさんは全身びっしょりでした。

「ごめんなさい、これっ…」

私はクロノさんにタオルを渡しました。

「ああ、ありがと」

クロノさんはタオルを受けとり、ワシャワシャと濡れた頭を拭きました。

「あ、あの…私、お風呂入れますね!」

「いや、いいよ」

「だめです! そのままだと風邪ひいちゃいますので…!」

私はクロノさんの返事も聞かず、慌ててお風呂場に向かいました。我が家は昨年お風呂を新しくしたばかりなので、すぐにお湯はりができます。

「クロノさん、入ってください!」

5分後、私はクロノさんをお風呂場まで案内しました。

「あ、でもかのん…」

「なんですか? 遠慮しないでください!」

「下着と服の替えがないんだけど」

「…っ!」

私は何故か自分の下着のことを思い出しました。
ばかかのん、私の下着なんて着れるわけないじゃないっ…!

「えっと…あ、じゃあ、父の服がないか見てきます!」

私は物置の部屋に急いで向かいました。
クローゼットを開けて確認します。
すると甚平と未開封の下着が入ってました。

「良かった」

運良く、もう一着分ありました。
後でシロタさんにもお風呂に入ってもらおう。
そう思って二着分持って行きました。

「サンキュ」

クロノさんに甚平と下着を渡した後、シロタさんにも声をかけました。

「ありがとう、かのんちゃん。でもオレはいいよ、服濡れてないから」

「あ、そうですか…」

「乾燥機だけ貸してね」

そう言ってシロタさんはクロノさんの服を乾燥機に入れました。

「ご飯食べ終わる頃には乾くから」

「……あっ」

私は小さく声を漏らしました。
そうでした、シロタさんたちはここに泊まるわけではありませんでした。

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