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アホエロ小説

第1章 引っ掛けたら後悔しました。

ネクタイを緩めた首元に、夏独特の生ぬるい風が駆け抜ける。しっとりと汗をかいたそこが気持ち悪くて、俺はパタパタと服を動かしながら足を進めていた。





「ちょー、桐野ー。もう一軒いこーぜ??」


ただでさえ暑苦しいのに、さらに暑苦しく肩に腕をかけてくる同僚の腕を払って、俺は上機嫌に声を発する。




「もう俺は帰って寝るんだよ!勝手に行ってろ。」




何だかフワフワする。足元から天に駆け上って行きそうな感じ。


アルコールが回って、周りの気温も手伝い体がポカポカとしてくる。




流れる汗もそのままに、桐野はじゃあなと手を上げてその場を去った。


後ろからは文句の声が上がっているがそんなものは関係ない。


この男は既に、家でもう一度お酒を飲んで明日の朝は仕事を考えずに遅くまで寝ると既に計画をすすめているのだった。

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