幸せの欠片 *超* 番外編
第2章 真夜中の訪問者
俺の知っているかずからは想像出来ない可愛い仕草に、思わず動揺してしまった
「ちょ…、かず?」
「チューしてくれないの?…あんなにいっぱいしてくれてたのに」
突き出した唇が、拗ねたそれに変わる
「したいよ。したいけど、かずには触れないじゃないか」
幾ら何でも、エアチューなんか寂しすぎる
「あ、そっか。それなら…」
“ちょっと失礼“
かずの手が伸びて、俺の胸の辺りを貫通させる
心なしかそこに熱を感じたと思ったら、その熱がじんわりと広がった気がした
「うん、オッケー」
手が抜かれる時、今度は何かが吸いとられるような感触が俺を襲う
「かず?…今、何したの?」
体験した事のない不思議な感覚
「相葉さんの生気分けて貰った」
「何それ、どういう事?」
何だか怖く感じたのは気のせいだろうか
「自分の力使うと、疲れちゃうからさぁ」
でもそれって俺はどうなるんだろう
生気を吸い取られるって、…やっぱりそう言う意味、だよね