幸せの欠片 *超* 番外編
第3章 お墓参り
「あ……」
そこまで考えて、漸く気が付いた
ハッとしてかずを見ると
「…そういう事」
眉を下げ、少し悲しげに笑っていて
「…父さんとか兄さんより、相葉さんに見送られたかったよ」
「……ごめん」
「いいの、これだけ言いたかっただけだから!分かってくれれば充分」
だけどすぐに、それを許してくれるのはかずの優しさ
「かず、俺から生気取って!」
「え?」
「今すぐ、かずを抱き締めたい」
俺に出来るのはこれくらいしかないんだ
こんなんで許して貰おうなんて図々しいけれど、他に思い付かない
「…いいの?」
「うん。…でも、帰る分の力は残しといて欲しいかな」
俺の苦笑混じりの言葉にかずが吹き出した
そして “ありがと“ と小さく呟いて俺の胸に手を伸ばす
覚えのある、熱
何かが吸い取られる…感触
ああ、かずに分けてあげられてる
「相葉さん」
かずの手が離れたと思った直後
「わっ」
ムギュ、とかずの方から俺に抱き着いてきた