
幸せの欠片 *超* 番外編
第5章 そしていなくなった
いつか、かずとはまた離れる時が来る
それは分かっているし、頭では理解していた
ただ感情が追い付いてないだけだ
だってまだ、かずに再会して2ヶ月足らずしか経ってないし
まだまだ大丈夫だろうと心の何処かで高を括っていたのもあった
夜しかかずに触れる事は出来ないけど
1日中楽しそうに笑うかずを見ていられるのはそれはそれで嬉しかったし
子どもみたいにはしゃいで見せたり
あんなに自分を素直に出してるかずが、本当に愛しくて堪らなかった
例え幽霊でもいい
かずがそこにいてくれるだけで幸せなんだと思う
だけどまだ足りないと思う気持ちもある
まだまだ、かずを失ったあの辛さを忘れるには
…遠すぎる
モヤモヤしたまま仕事をした所で、まともに出来る筈がない
カギが開かないから仕事?
バカじゃねぇの、俺
開かないなら外から叫んでやればいい
だってドアが開かないって事は中にかずがいる証拠
力を使って、そこにいるからじゃないか
決めてしまえば行動は早い
「申し訳ありません!今日、有給つかわせてください!」
