幸せの欠片 *超* 番外編
第2章 真夜中の訪問者
暗闇からいきなりの光に、目が追い付かない
何度も瞬きを繰り返して視界を取り戻そうと必死な自分の目
纏わりついた何かは消え、俺はその場に膝から崩れ落ちた
暫くして、漸く視界が慣れた時
俺の目の前に何か……誰かの足が見えた
足?
…幽霊って足なかったような
え、でも幽霊じゃないなら強盗?
ってどっちにしろ、俺ピンチなんじゃないの?
顔を上げるのが怖い
だけどさっき、確かに声が聞こえた
“待てっ!待って!!ダメーっ!!!“
強盗ならそんな事言わない
ついでに幽霊ならもっと言わないだろう
もう、なにがなんだか分からない
だけどこの足の正体を確かめなければどうにも先に進めない
だって後数時間もしたら、俺は会いに行くんだ
かずが眠る、あの場所に行かなきゃいけないんだから、うだうだしてる時間なんてない
思いきって顔を上げる
「え……」
見た事、ある……顔?
ニカッと笑うその顔は、知っているようで
だけど別人みたいで
……だって、見た事ない
こんな、笑顔は