Everyday Love
第4章 You Belong With Me【青黄】
デカベースのフロントへ行くと聞いたことのある男女の喧嘩をする声が聞こえてきた。
いつもの電話口ではない生の迫力に割り込めないでいると彼女が痺れを切らしたのかデカベースを去って行った。
彼女が行ったのを確認するとジャスミンは頭を掻き毟るホージーに駆け寄った。
「ホージー、大丈夫?あまりに遅いから様子を見に来たんだけど…」
「ジャスミンか…情けない所を見せてしまったな…」
そう言って小さく笑うホージーにジャスミンの胸は傷んだ。
「…私なら…」
「え?」
「私ならホージーを笑顔に出来るのに…あなたを理解出来るのに…何であんな人と付き合ってるの?」
「ジャスミン…」
「灯台もと暗しって言うじゃない…」
ジャスミンはホージーを抱き締めた。自分より背の高いはずのホージーが今は小さく見える。
「ジャスミ…!!」
「私はあなたが好き。あの人みたいに頭も良くないし、エリートでもない。美人でもないし、スタイルも良くない。でも…!でも…!!1番あなたを理解出来ているって確信してるわ!!」
言い出したら止まらない。今まで抑えてきた気持ちが涙と共に溢れ出る。
これで完璧に引かれたか…と、どこか冷静な部分が嘲笑する。
しかし、ホージーはそのままジャスミンを抱き締め返した。
「…っ、同情はいらないわよ?」
「違う。ジャスミンのお陰で目が覚めた。」
「へ?」
ジャスミンは顔を上げた。意外にも近くにホージーの顔があったためドキリとしてしまった。
「ジャスミンの言う通りだ…何とかあいつに好かれようと見栄を張っていたが…もう限界だな。それに俺も1番ジャスミンのことが理解出来る。ジャスミンのお陰で今気づいた」
もうそこにはさっきまでのしかめっ面なホージーはいない。
自分によく見せてくれる心からの笑顔だった。
「ホージー…」
「すまないな、ジャスミン。気づくのが遅くて。」
「ほんとよ。だって、あなたの隣は私しかいないんだもの。ずっと待ってたのよ。」
2人は笑い合うとゆっくりと唇を重ねた。