Everyday Love
第5章 Ours【白黄】
地球署の入口で待ち合わせをする、2人は決めていた。
多分、もうすぐ着くはず…。
ジャスミンは何度もSPライセンスで時間を確かめた。
しばらく、ソワソワと待っているとあの夢にまで見た白い制服姿が目に飛び込んできた。
ずっと見たかった姿だ。
「テツ!!!!」
普段、あまり感情をむき出しにすることのないジャスミンが力いっぱい愛おしい彼を叫び、全力で走り、駆け寄った。
「わ、ジャスミンさん…!」
急に抱き着かれた…というよりは飛びつかれたテツはびっくりしすぎて荷物を落としてしまった。
「テツ、会いたかった…ごめんね、連絡取らないなんか言って…自分で自分の首絞めてた…本当、後悔してた…でも、でも、」
「ジャスミンさん落ち着いて…」
出張前はあんなにお姉さんぶってたのに今は立場が逆転してるみたいだ、とテツは思った。
「俺も会いたかったですよ。何度か連絡しかけたんですから。でもジャスミンさんの言うことはぜ…」
「茉莉花」
「え?」
「茉莉花って言ってよぉ…」
自分を涙いっぱい溜めて見上げてくるジャスミンにテツはどうにかなりそうだったが何とか堪え自分がしてもらったようにジャスミンの頭を撫でた。
「茉莉花さん、ただいま。」
「おかえり、テツ…いや、鉄幹。」
少し恥ずかしそうに自分の本名を呼ぶジャスミンにテツはいよいよ限界だった。
「あぁぁもぉぉ!!可愛すぎですよ!!」
「きゃっ、なに…?」
テツは荷物を拾い、ジャスミンを抱えると早足で歩き始めた。
「ちょ、ちょ、ちょ、テツ。重くない?」
「ナンセンス。重くないです。」
「え、あの、何処へ…?」
「俺の部屋です。」
「はっ?待ってよ、テツ!」
「待ちません。」
「え、ちょ、ま、テツ…!」
次の日デカレンジャー達が見た光景はテツの存在をオール無視し仕事に没頭するジャスミンとそんなジャスミンのご機嫌を必死に伺うテツの姿だった。