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Everyday Love

第5章 Ours【白黄】




最後に会った日からあっという間に時間は過ぎ、テツが地球署に帰ってくる日がやって来た。
あれから白い制服姿を1度も見なかったことはとても苦しくて胸が張り裂けそうだった。
通信を一切しないこと約束をしたことを数え切れないほど後悔した。
事務作業をしているときも、会議を開いているときも、マシンドーベルマンでパトロールしているときも、こともあろうがアリエナイザーと戦っているときも。
あの愛おしい存在が何度過ぎったことか。
思った通り、根をあげそうだったのは自分の方だった。
自室で泣きそうにもなった。テツだって同じ気持ちなはずなのに。自分だけ情けない。
しかし我慢出来た。心が何度挫けそうになっても再開できる喜びを味わえるのなら。

そう、待ち望んでいた日だ。





朝起きてからあの日以来、カレンダーを見るのが日課となった。

今日の日付に自分のパーソナルカラーである黄色のペンでぐるぐると丸がしてある。
そこを軽く指で弾くとジャスミンは自室を足早に出た。

デカルームに到着するとホージーはすでに来ていたらしくジャスミンを見るなり挨拶もせず「やっとだな」と言うとニヤリと笑った。

「え…挨拶もしないでなに…っ」

吹き出しながらジャスミンはそう言うとホージーは何も言わず-しかし顔はニヤニヤしていた-ジャスミンの肩を叩いてコンピュータをいじくり始めた。

「え、なによ…っ」

ジャスミンは笑いが止まらなかった。
それから出勤してきたデカレンジャー達からニヤニヤされたり「良かったな」など言われたりとジャスミンは何度顔を赤らめたり笑ったりしたかわからない。
確かに自分たちの関係は公にしているわけではないがほぼ公認も同然。
ドギーも2人が公私混同をするような性格ではないこともわかっているし、社内恋愛は自由なので特に何も言わなかった。
だが、1日中この仕打ちは辛い。
スワンやドギーにまでいじられる日が来るとは。
ジャスミンはもうほっといてください…と穴があったら入りたかったがこれからあるビッグイベントに胸を高鳴らせているのは事実だった。
定時のベルが鳴ると同時にジャスミンはデカルームを飛び出した。
さっきまでいじられて恥ずかしがっていたのに…と乙女の顔をしたジャスミンをデカレンジャー達は微笑ましく見守った。

「おかえり会はまた今度ね」

スワンの言葉に皆、無言で頷いた。

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