Everyday Love
第9章 恋路【白黄+緑桃】
コンピューターの仕事を片付けたセンはぐっと背伸びをし目頭を押さえた。
長時間、画面を見ていたため体が疲れきっていた。
そのままフラフラと立ち上がりデカルームの中心にあるデスクに座り、顔を突っ伏した。
「お疲れちゃん」
事務作業をしていたジャスミンがデスクにことり、と何かを置いた。
センが顔を上げるとそこには淹れたてのお茶が。
「ジャスミン、仕事終わったの?」
「まぁねぇ~。」
自分の分も淹れてきたらしくジャスミンはセンの隣の椅子に腰掛けた。
「休憩しましょ?ちょうどみんな出てるし」
「確かに。ボスまでいないなんて珍しいね」
他の4人はパトロールに。ドギーは「スワンのところへ行ってくる」とついさっき出てしまった。
「まっ、最近平和だしね~」
お茶を啜りながら資料に目を通すジャスミン。全部通し終えるとジャスミンはセンに向き合った。
「な、なに?」
「セン殿、少し恋バナしないざんすか?」
「はっ、え、恋バナ?」
悪戯っぽく笑うジャスミンに戸惑うセン。
「そ、そういうのはウメコと…」
「ウメコからセンちゃんのことはよく聞くけど」
「きっ、聞いてるの!?」
さり気なく爆弾を放つジャスミンにセンは汗が止まらない。
「うん。次はセンちゃん目線のウメコの話が聞きたいわ」
「えぇ…」
困惑するセンにジャスミンは容赦ない。
「いいじゃない。今、私とセンちゃん以外は誰もいないのよ?さぁ、話してみそ?」
顔は笑顔なのだがどこか圧を感じる雰囲気にセンは仕方なく恋バナに付き合うことにした。
「ウ、ウメコでしょ…?そんなに変わらないと思うよ…?いつもテンション高くて元気で喜怒哀楽が激しくて…いつもジャスミンが見ている通りだと思うよ?」
ふーん…とジャスミンは呟きさっきの興味津々な笑顔からニヤニヤと不敵な笑みへと変わった。
センは直感的にヤバイ、と感じた。
「センちゃん、そんな顔するのネ~ン…」
「え?ど、どんな顔…」
「写真撮った方が良かった?」
「やめて!SPライセンス出さないで!」
SPライセンスを取り出すジャスミンを必死で止めるセンはふと、思いついた。