Everyday Love
第10章 Starlight【白黄】
「ふぅ…」
ジャスミンは事務作業を終えると疲れた様子で息を吐いた。
もうすぐ夜勤組のセンちゃんとウメコが来るはず。
それまでには仕事を終えたかったため休憩も入れずぶっ通しで作業していた。
かなり集中していたためかどっと疲労感がジャスミンを襲う。
「一息ついたらさっさと帰るべし…」
ジャスミンは独りごちると机に散らばった資料達を片付けた。
「ジャスミンさん、お疲れ様です。」
「あら?テツ、まだ帰ってなかったの?」
奥の部屋からテツが顔を見せた。いつもの白い制服ではなく、私服姿だ。とっくに彼の勤務時間は終了しているはずなのだが…。
「あぁ、ジャスミンさんを待ってたんです。だからスワンさんの鉄工所を掃除して時間を潰そうと…」
「そうなの…?」
満面の笑みでそう言われるとジャスミンは申し訳なさでいっぱいになる。
「ごめんなさいね、すぐ準備するから…」
「大丈夫ですよ。俺、意外と待つの得意ですから!」
「意外と…はどこから来たのかしら…」
得意げに言う彼にジャスミンは素早く身支度をし、着替えも済ませた。
「おまっとさんです。」
「いえいえ」
外から男女のはなし声が聞こえる。きっとセンちゃんとウメコだろう。あとは2人に任せた。
「あ!茉莉花さん、ちょっと付き合ってほしいん所があるんですけど…」
「なぁに?」
勤務が終わり、2人きりになるとテツはジャスミンのことを本名で呼ぶのがお約束だった。
「デカベースの屋上に…行きませんか?」
「え…?なんで…」
「あぁ、ジャスミン!テツ!もう帰るの?」
「お疲れ様」
テツの申し出の理由を聞こうとしたが、先ほどの声の主たちに遮られてしまった。
「あ、はい!センさん、ウメコさん、また!!行きましょっ」
「え、あ、ちょ、テツ?」
手短に挨拶を済ませると、テツはジャスミンの腕を引いてデカルームを出ていった。
「いやぁ~あの2人ラブラブだねぇ~」
「ジャスミンを振り回せれるのはテツぐらいだよね!」
そう言って笑うセンちゃんとウメコも、2人に負けないぐらいラブラブな様子なのだが。