Everyday Love
第1章 Sparks Fly【白黄】
早く抱きしめてよ、わたしを奪い去ってよ。
早くこの苦しみを、痛みを取り除いてよ。
その目をわたしから離さないで。
耳元で囁いてよ、好きだって。
「どうしたんですか?」
突然、目の前から声がしてジャスミンは慌てて我に返る。
どうやらずっとテツを見つめていたらしい。
ジャスミンは急に恥ずかしくなり立ち上がった。
「な、何でもないわよ?ちょっとお花摘みに行ってきまーす」
ジャスミンは慌ててその場から離れた。
「はぁ…」
デカルームから飛び出し、ジャスミンは壁にもたれながら床にしゃがみ込む。
絶対変だって思われた。じっと見つめながら馬鹿みたいな妄想してたなんて頭おかしい。
恋はアリエナイザーよりよっぽど危険だ。
でもどうしてもテツのキラキラと効果音が付きそうな笑顔に見つめられると正常ではいられなくなる。
胸元で花火大会が行われているみたいに心臓が異常に速くなる。
もうやめて、見ないで。という感情ともっとわたしを見て、わたしだけを見つめてて。という感情に襲われる。
「どうすればいいのかしらね…」
ジャスミンは独り言を呟き、小さく笑った。
一方、彼も…
「ジャスミンさん可愛かったなぁ…」
穴があくほど見つめられ、指摘した途端顔を赤らめ早々に出ていった彼女に胸を高鳴らせていた。