Everyday Love
第11章 color【白黄】
「センさんはいいとして…ホージーさんは歯が浮いちゃいそうなこと言うに決まってますね、うぅぅ…ナンセンス…想像したら寒気が…」
過剰に寒がるテツにジャスミンは「そんなに嫌がらなくても…」と呟いたが、テツの奥底にある真意を見抜いたスワンは小さく笑うとテツの肩に手を置いた。
「もしかしたら…1番危ないのはドゥギーかもよ?」
「えぇ?ボス!?」
どうやらテツの頭にドギーの文字はなかったようで勢いよくスワンの方に振り向いた。
「ボスが何で出てくるんですか?」
一方、よくわかっていないジャスミン。
「ドゥギーはもうすぐ帰ってくるわよ~」
スワンは軽くウインクすると鉄工所に戻って行った。
テツは猛烈に動揺した。
用事をがあり、ちょうど今デカルームにいない我らがボス、ドギー・クルーガー。
さり気なくジャスミンの髪型に触れ、さり気なく感想を言う。
ジャスミンはドギーを心から慕っているため絶対に照れたり、嬉しそうな反応をする。
そこにお互い他意がなくても、その状況を直視してしまうのがテツは辛かった。
「あぁ~…誰にも見せたくない!」
「えっ?」
本音が思わず漏れていたらしい。ナンセンス、とテツは慌ててジャスミンの方を向くとそこには少し頬を赤らめたジャスミン。
「じ、ジャスミンさん?」
「急に何を言い出すのかと思えば…さっきから焦ってるのはそういうことね…」
「す、すみません…見苦しいですね…」
「いや?嬉しいわよ。そんなに私のこの髪型好きなんだ?」
「え?いや、あの、髪型というかジャスミンさんだったら何でも似合うというか…」
「ふーん…」
意味ありげに笑うジャスミンの顔が近づく、この状況は何だ?とテツはまたフリーズしかけていた。
「あの、ジャスミン、さん?」
「ありがとっ、ちょっと不安だったけどテツの反応で自信ついたざんす」
ジャスミンは軽く背伸びをするとテツの頬にちゅっ、と口つけた。
「みんなはまだかしらね~♪」
何事も無かったように仕事を始めるジャスミンに今度こそテツはフリーズした。