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Everyday Love

第13章 としごろ【緑桃】






最近のウメコはやたらと背伸びをしたりジャンプをしたり普段からのオーバーアクションが輪をかけて激しくなっている。あとは、デカベースにあるジムで縄跳びをしているを見かけた。
そしてよく牛乳を飲む光景も見る。
センは「まさか…」とは思った。女性は男性に比べてゆるやかにそして長期に渡ってそれが伸びるとは聞いたことがある。しかし、ウメコは立派な大人の女性。もう伸び代はないのでは…と。
1度気になり出したら止まらない。センは今も近くのコンビニで買ったのであろう牛乳パックを飲むウメコに軽く真相を訪ねてみた。

「ねぇ、ウメコ。最近よく牛乳飲んでるけどどうしたの?」

ウメコは腰に手を当てて牛乳を飲み干すとセンの方を向いた。

「あぁ、あのね!身長を伸ばそうと思って!」

予想的中。ニコニコと嬉しそうに話すウメコに少し良心が痛むがセンは自分の見解を話すことにした。

「いやぁ、ウメコ…。流石にもう…」
「遅くないですぅ!!」

ウメコはセンの言いたいことがわかったのか頬をプクッと膨らまし、反論した。

「えぇぇ…」
「私聞いたことあるもん!!大人になっても背が伸びた人!!」
「え、マジで?」
「うん!!バンは日によっては伸びるって言ってたの!!」

その言葉にセンは少し狼狽えた。
理由はよくわからないが、身長の高い人はその日の加減により伸びたり縮んだりすることがある。

「それって元々背が…」

センは自分が地雷を踏んでいると気づいて言葉を切った。
しかし時すでに遅しで見下げた先にはさっきより倍に頬を膨らませたウメコがいた。





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