Everyday Love
第15章 雨の日に偶然【白黄】
「今日はありがとうね」
スーパーから出た2人。まだ雨は降っている。
テツの予想通り暫く買い物に行けてなかったため、大荷物になってしまった。
テツ1人に持たせるわけにもいかない、とジャスミンが言うのでエコバッグの持ち手を片方ずつ2人で持つことした。
傍から見ればカップルにしか見えないだろう。
「いいんですよ。俺がしたかったし。」
何でそうしたかったんだろう?
さっきの「ジャスミンさんとにいたい」という言葉共々、問いかけたくなったが何となく聞く勇気がなく言葉を飲み込んだ。
デカベースの中に入り、ジャスミンの部屋の前で止まる。
「じゃあ、また明日。」
「はい、また明日。」
テツは挨拶をすると自分の部屋へと戻っていった。
ずっと一緒に戦っている割にはテツのプライベートなことはあまり知らなかった。
ああやって私服を着ていればどこにでも居るような普通の青年だ。
そんな青年が幼少の頃から厳しい訓練を叩き込まれてきたと思うと少し切なくなった。
だが、根はとても素直で優しい子なのは変わりない。それが今日、再確認できたジャスミンは少しだけ雨が好きになった。