Everyday Love
第16章 抱いてくれたらいいのに【白黄】
遠慮でもしているのだろうか。
それとも自分に色気がなさすぎるのだろうか。
付き合ってから3、4ヶ月は経つだろうか、ジャスミンは恋人であるテツが全く手を出してこないことに少し疑問を感じていた。
最初はそういったものに慎重な性格なのかと思っていた。
もしかしたら結婚するまではしない主義だったり、嫌悪感があったりする方なのかと。
しかし、休憩中デカルームで女性陣がいないことを良いことに(実際ジャスミンは運悪くばっちり聞いてしまったのだが)猥談で盛り上がるテツを見てそうでもないことが発覚した。
ただ単に先輩に手を出すのは忍びないと思っているの?
そうなると…私に問題があるのか?
1度エスパー能力でテツの心情を探ってみようとしたがバレないように触ろうとしたつもりだったのだが。
「え?ちょ、ジャスミンさん!?」
「ん?いや、なんでもないざんす…。」
触ろうとした直接にバレてしまった。
幸い、手は咄嗟に後ろに隠したので能力を使おうとしたことはバレていない。
軽く触れるつもりだったのに顔を真っ赤にし、大袈裟なくらい動揺されてしまった。
これじゃ、自分が痴女みたいになっているじゃないか。
ただ、あなたになら好きにされてもいいと思ったのに。
そんなこと直接言えるはずもなく、ジャスミンはズルズルと悩みを引きずってしまっていた。
こんなことを他人に相談できるほどジャスミンはあっけらかんとはしていない。
他人に相談できていたら本人に直接聞けている。
テツはジャスミンを気軽に部屋に呼ぶが、お酒を飲んで、雑談して、いい頃合になればはいさようならだ。
今日も部屋に来てほしい。と言われてしまった。
もう待っているだけじゃ…何となく焦りも感じていたジャスミンは今夜この悩みと決着をつけるつもりだった。