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Everyday Love

第16章 抱いてくれたらいいのに【白黄】





「で、ですね~」

テツの部屋で缶ビール片手にテレビを見ながら談笑していた。
普段あまり自分から積極的に話すほうではないが、ほろ酔いなのか饒舌になるテツ。
ジャスミンも聞き役は苦じゃないので相槌を打ちながらアルコールを流し込んでいた。
しかし、ジャスミンはチャンスを狙っていた。
今の上機嫌なテツならイケる。
ジャスミンは思い切って、とっておきの一言を放った。

「ねぇ、テツ。」
「なんですかぁ?」

口調がふにゃふにゃとしているテツ。そんなテツも可愛いなぁっとジャスミンは思った。

「私からキスしてみていいかしら?」

流石にキスぐらいはしたことがある。唇をチュッと重ねるバードキスのみだったが。
冗談っぽく言ったつもりだった。だが、その瞬間確かに空気は変わりテツはみるみるうちに赤くなっていった。

「…え、あの、」
「じ、じ、冗談よ!あんまり飲んでると明日の勤務に支障が出るわよ!」
「で、ですよね、すみません…。」

完全に失敗した。
でもこれで答えは出た。テツが奥手なだけだった。しかし、これ以上迫れば自分自身がただのふしだらなヤツになってしまう。
半ばヤケクソになりながら缶ビールを一気飲みする。先輩ぶって注意したのはどこの誰やら。
ジャスミンはテツに聞こえるか、聞こえないかぐらいの声でポツリと呟いた。


















































-抱いてくれたらいいのに。



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