Everyday Love
第18章 甘い予感【白黄】
ネオデカベースの中にあるデカルームで黄色い制服を着た女性…ジャスミンと白いコートを羽織った男性…テツが難しい文章のが綴られた資料と睨めっこしていた。
机はかなり広いというのに2人は隣同士に座っていてデカルームには紙のカサカサという音だけがしている。
ふと、ジャスミンが「はぁ…」とため息をつき、資料を机にバサッと置いた。
「ちかれたび~」
昔の流行語を口走る彼女に気が抜けたのかテツも資料をゆっくり机に置く。
「休憩しますか?」
「そうね。お茶でも淹れてくるわ。」
ジャスミンは立ち上がると給油室へと消えて行った。
テツは机に突っ伏す。現場主義なのは相変わらずだが、階級が上がってからというもの事務作業が増えた気がする。
別に苦手ではないのだがこんなに毎日文字ばかり見ていると流石に気が狂いそうになる。
そうなると文句も言わずサラッと何もかもをこなしながら自分達をまとめあげるボスは本当にすごい、とますます尊敬と憧れの念を抱かずにはいられなくなる。もちろんスワンも。
しかし、少しだけ楽しみもある。
「お待っとさんです」
両手にマグカップを持ちながらジャスミンが帰ってきた。
デカルームにいるときには必ずジャスミンが手伝ってくれるのだ。ごく自然に当たり前かのように。
テツは机から顔を上げるとSPDのマークが入ったマグカップを受け取り、口をつけた。