Everyday Love
第20章 Trouble【白黄】
フンフンと鼻歌交じりで歩くテツ、バスルームに着き誰もいないと思い、勢いよくドアを開けた。
「きゃっ」
「えっ!?」
しかし、そこにはバスタオル1枚体に巻いたジャスミンの姿がいた。
どうやら誰もいないと思っていたバスルームには先約がいて、それがまさかのジャスミンだった。
普段は降ろしている濡れた髪を1つに結っていることで項が露になり、頬は風呂上がりということでで赤くなっている。
バスタオルの下には何も着ていないのか…と考えたところでテツは我に返った。
これじゃただの変質者になってしまう。
「すすすすすみません!!失礼しました!!」
慌ててテツはバスルームから出た。
心臓がこれでもかという程音を立てて動く。
あまりにも刺激の強すぎる光景だった。
さっきのジャスミンの姿が頭から離れない。
これからどう顔を合わせばいいのだろうか…嫌われてしまっただろうか…。
不安が募る中、バスルームのドアが開きジャスミンが出てきた。
着替えが完了したのかいつもの制服姿だったが髪はまだ濡れていて、さっきまで体に巻いていたバスタオルを頭に巻き付けている。
「おまっとさんです。」
「え?あ、あ、の、すみませんでした…」
素直に頭を下げると上から吹き出すような声が聞こえ、テツは頭をあげた。
「まー、こうなることは絶対あると思ってたし?まぁ、ウメコだったらどうなってたか分からないわね。」
ニコニコと恐ろしいことを言うジャスミンに顔を引きつらせたが、さほど気にしていない様子に安堵した。
と、同時に''仲間''には思っていないところに少しガッカリもした。
自分はあんなにも意識してしまったのに。
「本当にすみませんでした、気を付けますね。」
「そうするべし。じゃ、また後で。」
ジャスミンが見えなくなると、テツは急いでバスルームに入った。
この汚れた心を風呂に入ってさっぱり洗い流そうと。