Everyday Love
第23章 木枯しの精【銀←白←黄】
秋も深まってきた今日この頃。
外は冷たい風が吹き、センチメンタルな気分になる。
テツがしばらく特キョウ本部に戻っていたんだけど、今日帰ってきた。
行く前はリサチーフに久しぶりに会えるとか言いながらご陽気だったんだけど。
ところがどっこい今のテツはとってもへこんでいる。
そのへこみっぷりはすごいもので帰ってきて挨拶もせずデカルームの机に突っ伏してる。
その姿に他のみんなは戸惑い、あのバンですら「テツ…どうしたんだよ…」と一言残しそれ以上何も言わなかった。
触れちゃいかんって感じナリね。
まぁ、理由は何となく分かってるんだけどね。
リサさんに振られたんでしょう。
テツがリサさんのことぞっこんだっだなんてバレバレよ。
何度かリサさんは地球署に遊びに来たことがあるんだけどその度にテツは大騒ぎして犬みたいにリサさんの周りを駆け回ってた。
そんなリサさんに一世一代の告白を断られちゃったんでしょう。
わかるわよ。私がどれだけ君のことを見てきたと思ってるの?
私は給湯室でテツが好きなお茶を淹れる。
こういうのはスワンさんが上手いんでしょうね。それにテツもそっちの方が…。ごめんね、私はスワンさんじゃないから。
1つ深呼吸をしてゆっくりとお茶を運ぶ。あっ、ちゃんと私の分もあるナリよ。
「テツ。」
腫れ物に触るようにならないように、出来るだけ普段どおり、でも優しく呼んだ。
ほっといて欲しいのかテツは顔を上げない。先輩に対して何て態度なの。
「お茶…飲まない?」
ことり、とお茶を置いた。