Everyday Love
第25章 WOW! WOW! WOW!【緑桃】
「あいたぁぁぁ!!」
ベチンッ!!と派手な音を立てながらウメコが転けてしまった。
その姿に誰よりも反応したのはセン。
ウメコに駆け寄り、手を差し伸べる。
「あらら…大丈夫?」
「痛~…でも大丈夫。急がなきゃっ…」
「気をつけてね」
センの手を借りながら起き上がり、そそくさとウメコはデカルームを出ていき、センはホッとする。
ギロッと視線を上に向けると明らかにボールペンを持つ手が不自然に震えているテツ、冷静を装っているが目が完全に泳いでいるホージー、急にわざとらしいく寝始めたバン。
「…まさか見てないよねぇ?」
口調は至って普通なのだが自分でも驚く程に低い声が出た。
最初に口を開いたのはテツ。
「いや、あの、えっと、だってあんな音聞いたら普通見るでしょう!?」
「そ、そうそう!普通はそうだぜ、センちゃん!」
「…そうだな。あれは不可抗力だ。」
「何が不可抗力だよ、カッコつけて。」
テツやバンに賛同するホージーに軽く突っ込む。
ドギーもさっきのことを目撃していないはずはないのだが呆れているのか全くこちらには興味を示していない。
「ボスっ…」
「まぁまぁ、センちゃん。落ち着くナリ」
ドギーにまで食ってかかろうとするセンに第3者の視点で見ていたジャスミンが宥める。
男達が見た光景。それは転んだ拍子にスカートがずり上がり下着が露わになってしまったウメコの姿。
センは本能的にやばい、と思い咄嗟にウメコを隠すように駆け寄ったが効果はなかったらしく、全員モロに見てしまったらしい。
正直、見た瞬間心臓が止まるかと思った。最悪の事態が起きてしまったのだから。
「何で見せパンみたいなの履いてないのかなぁ、そんなもの知らないとか言わせないよ?ジャスミンも何か言っといてよ」
「お、おう。センちゃん…気持ちは分かるけど…」
ずっと感じていたものが溜まりに溜まってセンは愚痴る。珍しい光景にジャスミンも焦っているようだ。
「本当に、もう…」
「センちゃん、もう分かったから…!」
「分かられてたまるか!次、ウメコを変な目で見たらただじゃおかないからね!」
バンとテツは「ひぃぃぃ…!」と過剰に反応していたがホージーは「馬鹿馬鹿しい」と切り捨てた。しかしそれを聞いていた怒りの収まらないセンに「馬鹿馬鹿しいってなに!?」とまた絡まれてしまうのだった。