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今夜も君をオカズにする

第1章 文芸部

ぱらり

と小説の一ページがめくられる

次へと物語が進んでいく

旧クラブハウス棟の中は誰もいない

先輩と僕だけ

ぱらり、

と人差し指がページにかけられ

本棚を背にして、僕と先輩は並んで座る

彼女が手にしているのは小説

先輩が次のページをめくる

誰もいない古い建物の中

「夏への扉」

が一ページ一ページ

消費されていく

「で、相良くん」

視線は物語を追ったまま

彼女が口を開いた

「昨日は何回オナニーしたの?」

顔色一つ変えずに

その言葉を発した

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