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溺れてみたい

第1章 一


「っ……」


至近距離には、椎名の顔。

届きそうな互いの息。

触れ合いそうな肌。

真正面で絡み合う視線。

……ヤダ。やっぱり、
好きでもない人とこんなこと……。

誰か助けて……。


「ごめんなさい……やっぱり」


震える唇を開いて、止めて欲しいと頼もうとする。

しかし――


「由来ちゃん、お願いがあるんだ。今日、俺と一緒に寝てくれる?」


椎名の言葉に、一瞬ポカンと口を開けた。

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