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溺れてみたい

第4章 四


* * *

いつの間にか、抱かれる事が私の存在意義になっていた。

だから私を抱く気にならないと藤夜から言われて、私は存在自体を否定されたと思った。

親から売られ屋敷に来た私には、藤夜達しかすがるものがない。

手をはなされれば、終わり。

その先は地獄――


私はそれが嫌だから、彼等から抱かれたって良い。

生きる為なら何だってする。

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