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溺れてみたい

第4章 四


もう1つ。
抱かれるのはお金の為。

そう誓った筈なのに――


「藤夜、藤夜……!」


真っ暗な部屋。そこでベッドに寝ている藤夜の体を揺すりながら、私は名前を呼んだ。

夜だから外も暗く、月が暗い空を照らしているだけ。

案の定起きて私に気付くと、藤夜は目を丸くする。


「……は?何してんの?こんな時間に……」


私は藤夜が体を起こす暇も与えず、藤夜の寝着の胸ぐらを掴んで真剣に言った。


「お願い!私をここから逃がして!」


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