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溺れてみたい

第1章 一


えっ、置いていくの?

……それもそうか。

私、売られてここにいるんだから。



「由来ちゃん、行こう。
俺の部屋は二階だよ」



肩を抱かれて引き寄せられると、ゾッと立つ鳥肌。

ヤバい……気持ち悪い。

元々男嫌いなのに。



そのまま椎名が廊下にある階段へ向かって歩き出すと、私も連れていかれるしかなく。

込み上げてくる嫌な予感に、悪寒を走らせた。


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