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*蜜恋*

第2章 *別離*




……俺が琴音に別れを……
切り出そうとしたその時だった。
琴音の口から……






「……涼太……別れ無いわよ?……」





……と、言われてしまい俺は……
飲んでたコーヒーを吹き出しそうに、
なったまま琴音を見つめた……



「……え、なんで琴音?……」

「……解るわよ……そのくらい……
何年涼太と一緒に居ると思ってるのよ?……」

「……琴音ごめん……」






「……別れ無いから……」





「……でも俺にはもう琴音の他に……
好きな人が出来たんだ……」





「……酷い人ね……」




……俺は琴音に全てほんとの事を……
隠さずに話した。




「……酷い奴だよ。だから……
俺と一緒に居ても琴音は幸せに慣れない……」




……するとやっぱり琴音は泣き出した……




「……琴音別れよう……もう俺は……
琴音の涙も拭いてやれ無いんだよ……」




暫くの沈黙の後、琴音が俺に言った。



「……涼太どうしてもなのね?……」

「……ああ……」

「……だったら最後に私のお願い聞いて……」

「……何?……俺に出来る事なら、
何でもするよ?」

「……有難う涼太……お願いは……
来月の旅行の約束だけは守ってよ?……」

「……あ……」


……そう……俺と琴音は来月、
京都に旅行に行く事になって居た。




……ああ、そうだった……どうする、俺……




俺は暫くの間答えを出せないで居た。

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