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アルバイト

第1章 誘い

『はい。左海研究所です』

研究所?

『あの…鈴木明奈さんからアルバイトの紹介されて……』

『あぁ明奈さんからですか?では田辺有美さんですね』

なるほど…もう明奈は私のこと連絡してたのか

下の名前を呼んでいるぐらいだから電話先の女性と明奈はかなり面識があるみたいだ

少しは気が楽になった

天然な明奈と研究所は似合わない気がするけど

『はい…あの〜どんなバイトなんですか?』

『あのPCはお持ちでしょうか?』

『はい』

『ではこちらから書類をお送りします。そちらに書いてあるURLにアクセスしていただいて一ヶ月程度一日三時間映像を見てもらい、報告していただきます』

『それだけですか?』

『はい。毎日見る必用もありません。見ていただいた場合に報酬を支払わせていただきます』

ずいぶんいい加減なバイトだ

これなら明奈が簡単だと言ってた理由も合点がいく

多分安い時給なんだろう

『あの…時給はいくらですか?』

『時給ではなく、日給でお支払いします。日給一万五千円でどうでしょうか?』

は?

一日三時間だから時給五千円ってこと?

あまりの高額報酬に怪しさしか感じない

それでも貧乏学生の私にとってかなり魅力的

『あの…映像を見て報告するだけなんですよね?』

『はい。後は何もしなくて結構です。怪しいと思う方も多いのですが当研究所の研究のために協力していただけませんか?』

研究のため…か

何かそう言われると変な使命感のようなものが湧いてくる

しかも高額報酬付き

『わかりました。やります』

私は女性に言われるがまま住所を教えた

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