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アルバイト

第9章 研究所

「えっ…!?ここ?」

メールで指定させた研究所の住所は有美が通っている大学の裏手にあった

そこは平屋の普通のコンクリートの家にしか見えない

しかし玄関には手書きなのかあまり上手とは言えない字で『左海研究所』と書かれていた

『ここで…いいんだよね?』

有美は恐る恐る玄関のインターホンのブザーを押した

『はい。左海研究所です。何か御用でしょうか?』

聞こえてきたのは電話で何回か話した覚えのある女性の声

不安の中、少しだけ安心する声だった

『田辺有美です。給料を受け取りに…』

『はい。田辺様。お待ちしておりました。鍵は開いているので中にどうぞ』

有美は不安に駆られながら入口のドアを開けた

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