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僕らの歪な経験値

第9章 続ける

和也 side







アホは俺の体だけが目当てなのに。



俺の体にハマってるだけなのに。



こんな乱暴で、一方的で、情なんて1つも転がってない。



この性欲を満たすだけの行為に、何か意味があるんじゃないかなんて考えてしまう俺は。










俺こそがただのバカだ。











智「ニノー今日ヒマ?」



和「大野さんの用事によってはヒマにも忙しくもなります」



智「あはっ!ニノらしいね。いつもクラス委員手伝ってくれたからご褒美で視聴覚室使ってもいいって。皆で映画見よ」



皆ってのは、やっぱり…



いつもの4人ってことだよね?



櫻井王子と大野さんと、あのアホと…



アホと顔合わすの嫌だな…



ま、んでも映画見ながら何かしてくるってことは無いだろ。



4人でいる訳だし。



俺は2つ返事でオッケーした。



大野さんと櫻井王子はDVD借りてすぐ行くって言ってたから、俺は先に視聴覚室で待つことにした。



視聴覚室って他の教室と違うよね。



遮光カーテンで椅子とかもフカフカで。



いつもと使ってる教室の硬い椅子と机とが大違い。



だから結構好きなんだよね。



特別って感じで。



俺は電気も付けずにフカフカの椅子に寝っ転がった。



薄暗い部屋で、そのまま目を瞑ってるとウトウトして意識が遠のいていった。










「あれ?誰もいない?」



人の声にはっとした。







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