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僕らの歪な経験値

第2章 齧る

翔 side







大野智の存在は俺の中で薄かった。



あくまでも「二宮の友達」という印象しかなかった。



頭の方があまりよろしく無さそうだったから、仲良くなる予定なんてなかった。








ニ「じゃ、私帰らせて頂くんで」



もう見慣れたような、二宮の帰っていく姿。



翔「おう。ゲーム頑張ってな」



手伝う条件の1つだった最新ゲームを買うこと。



俺に出来ないことは無い、と競争率の高いゲームを発売日に手に入れてやった。



今までにない程、目を輝かせた二宮は、そのゲームをする為に連日早く帰る。



手伝いもそこそこに。







手伝えよーって思うけど。



最近はクラス委員のやり方も慣れてきて、仕事の量も落ち着いてるし。



最新ゲームへの気持ちが落ち着いてから手伝ってもらうことにしよう。






で。



ここには2人になる。








俺と大野智だ。




二宮の条件を出した男がここにいる。




二宮は先程言った通り、ゲームの為にさっさと帰る。



そして雅紀。



あいつ結構手伝ってくれてたのに、二宮があまり来ないと知ると部活に精を出し始めた。



わかりやすい奴め。






智「見てみて櫻井くん」



大野が差し出したのは折り鶴。



自分でせっせと折って俺に見せてくる。



翔「ぶはっ!足ついてるじゃんコレ!」



普通の折り鶴と違ってがに股に足が付いた鶴を見て俺は爆笑。






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