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僕らの歪な経験値

第2章 齧る

翔 side







智「うわーでっけぇ家」



大野が俺んちを見上げてる。



翔「きょっ!今日親いないから!」



後ろからふ~~ん、と興味のなさそうな声が聞こえた。



俺は緊張のあまり家の鍵がカギ穴に入らない。



ガタガタと震える俺の手から大野がカギを奪い開けてくれた。



智「どうぞ」



ガチャと扉を開け、入るように促してくれた。



しかも笑顔。



俺が緊張してるのが面白いらしい。



いや、逆じゃん!



なんで俺が緊張してて大野が余裕なの?



普通、大野が怯えてて俺がニヤニヤしてるのが正解だろっ!



コイツ脅されてるって自覚あるのか!








智「わー!部屋は普通の広さ!」



翔「平均的な部屋の広さの方が、1人暮らしの時に選びやすいっていう親の教育が…っておいっ!ベッドに乗るな!」



大野が部屋に入るなりベッドにダイブしやがった!



外から帰ってきたままの体で信じられん!!



智「ケチー」



翔「床に座っとけ!茶でも持ってくるから!」



智「へーい」



大野は床へは座らず、部屋の中をうろうろしていた。









教室で最中だった大野に声をかけたが、驚いてアレをすぐ隠していたが。



恥ずかしいという気持ちは全く無いのか、どうしたの?と平気で声をかけてきた。



俺の要件を聞くと、簡単に着いてきた。



俺んちに遊びに来るのが楽しみ、みたいな態度で。







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