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僕らの歪な経験値

第6章 好る

智 side







俺は腕を取られ、気付けば相葉くんの家を飛び出していた。



俺の腕を引き、俺の前を歩く翔はコチラを見ようとしなかった。



俺は自分でとんでもないことをしてしまった。



それが4人の関係を崩しているにもかかわらず。



翔のことを未だに「恋人」だと思っていいのか、と違うことを考えてしまってた。










マンションにある相葉宅を出て恋人(仮)にエレベーターの中へグイグイ引っ張られた。



智「痛いよっ!」



腕を離せとばかりに自分の腕を引っ張った。



その時の翔の顔は般若そのものだった。



怒ってる…



当たり前だけど…







俺たちはエレベーターに乗り込み、翔は1階のボタンを連打した。



腕を掴まれたまま、翔は俺の頬を掴み顔を近づけてきた。



智「やっ!……やだやだっ!」



今、キスしたくないっ!



ニノにキスしたこの唇でしたくないっ!



一生懸命、顔を反らしてると、翔の動きがピタリと止まった。



そろりとその顔を覗くと、瞳に嫉妬と怒りが見えた。



翔「二宮くんとできて俺とはできないのかよ……」



翔の体が、その声が震えてる。



震わせてる。



そんな風に言われたら何にも言い返せない…



俺が黙っていると、翔が再び迫ってきた。



智「やだやだっ!…来ないでっ!」



エレベーターの角に追い込まれ、身動きが取れない。



顔を上に向かされて口を塞がれてしまった。











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