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僕らの歪な経験値

第7章 会する

和也 side







もともと爽やかエキスを体に備え付けられてるね、あれは。



俺にもその爽やかエキスちょうだいよ、って言ってもあの爽やかが爽やかに笑ってくれんのよ。



冗談も通じる爽やか王子だなこりゃ。





とまあ。



櫻井王子に関してはいい印象しかない、といった所だけども…



俺らが手伝うことになって、他にも手伝ってる人間がもう1人。



雅「しょぉちゃ~ん。これどうすんの?わかんなくなっちゃった~」



うるせーのがいてうるさい。







櫻井王子によるとこのうるせーアホは、なにやら前からちょこちょこ手伝っていたらしい。



でも部活で忙しくてあまり来てなかったらしいが。



最近よく来てる。



本当にあんまり来てなかったのか?



ってくらい来てる。



そして櫻井王子とはあまりにも不釣り合い。



顔はまあ、悪くないけど。



なんでこんなアホと仲良くしてるのかと聞いたことがある。



なにやら中学が一緒だったとか。



確かにバカだけど、あのバカさ加減に癒されるんだとか。



面白いし、意外に空気が読めるんだと。



あと心臓が強い所も気に入ってるそうだ。



好きな理由がよく分からなかったけど、うるさいの嫌いだし、あんまり関わらなければいいんだし。



まあ、顔は悪くないけど。


でも、櫻井王子はこうも言ってた。



翔「雅紀。あなたのこと気に入ってるみたいだぜ」



口角を片方だけあげたその男は、俺の描いたいけすかない男像そのものだった。







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