
僕らの歪な経験値
第9章 続ける
和也 side
喉から手が出る程欲しかったそれに、プラスにこにこしている目の前のその顔に、理性より欲望が買った。
2人で電車で並んで帰る。
ここまではよかったものの。
バカのマンションに着くと急に脂汗が出てきた。
2人きりのエレベーター。
俺はバカの左後ろに立つ。
何かされてる訳でもないのに汗が止まらない。
それはエレベーターを降りても変わらなかった。
いや、部屋に近づけば近づく程、汗は止まらなくなった。
あの時の部屋。
あの時の玄関。
雅「どうしたの?入れば?」
靴を脱いで上がってるバカは不思議とばかりに問うてくる。
玄関で立ち尽くす俺に。
足が前に進まない。
和「やっぱり…」
雅「ん?」
和「…ゲーム、やっぱりいいや。…飽きたら貸してよ。急がないから…」
雅「…………」
和「…今日は帰るわ」
雅「………いいから上がれって!」
突然、肩を抱かれ家の中に引っ張られる。
和「わわっ!ちょっと…!靴が…」
満足に靴も脱げずに放りだし、部屋へとずんずん連れて行かれる。
バカだ、俺は。
なんでついて来てしまったんだろう。
ここでやっと気づくなんて。
前のように戻りたい、普通に過ごしたいって思ってたのは。
喉から手が出る程欲しかったそれに、プラスにこにこしている目の前のその顔に、理性より欲望が買った。
2人で電車で並んで帰る。
ここまではよかったものの。
バカのマンションに着くと急に脂汗が出てきた。
2人きりのエレベーター。
俺はバカの左後ろに立つ。
何かされてる訳でもないのに汗が止まらない。
それはエレベーターを降りても変わらなかった。
いや、部屋に近づけば近づく程、汗は止まらなくなった。
あの時の部屋。
あの時の玄関。
雅「どうしたの?入れば?」
靴を脱いで上がってるバカは不思議とばかりに問うてくる。
玄関で立ち尽くす俺に。
足が前に進まない。
和「やっぱり…」
雅「ん?」
和「…ゲーム、やっぱりいいや。…飽きたら貸してよ。急がないから…」
雅「…………」
和「…今日は帰るわ」
雅「………いいから上がれって!」
突然、肩を抱かれ家の中に引っ張られる。
和「わわっ!ちょっと…!靴が…」
満足に靴も脱げずに放りだし、部屋へとずんずん連れて行かれる。
バカだ、俺は。
なんでついて来てしまったんだろう。
ここでやっと気づくなんて。
前のように戻りたい、普通に過ごしたいって思ってたのは。
